ウクライナ人が紹介するウクライナ伝統グリーンボルシチ!家庭で味わう究極のヘルシースープレシピ

みなさん、こんにちは!

ウクライナ出身のクリスティーナです。

今回は世界中で知られているボルシチの話をしますが、皆さんの知っているボルシチではありません。実は「グリーンボルシチ」というバリエーションもあるのをご存知ですか?

今回は、グリーンボルシチの特徴と美味しいレシピ、さらに作り方のコツについて詳しく紹介します。グリーンボルシチは、豊かな緑の野菜と新鮮な酸味が調和した一皿で、健康にも良いと評判です

グリーンボルシチとは?

グリーンボルシチは、ウクライナ料理の中でも栄養価が高く、かつ美味しい前菜の一つとされています。 主な特徴は、スイバ、ほうれん草、ディル、パセリ、グリーンオニオンといったフレッシュで緑の野菜がふんだんに使われ、味わいに独特の酸味と香りを与えます。 主に春の料理として人気ですが、好きな人は年中作っています。

グリーンボルシチ作りの基本アドバイス

本格的なグリーンボルシチを作るためのポイントを、いくつかのステップに分けてご紹介します。

① 肉とブイヨンの基本

  • 必須の具材:グリーンボルシチには、肉(ベジタリアンバージョンも可能)、たっぷりの緑の野菜、卵、そしてじゃがいもが入ります。

  • どの肉で作る? ブイヨンには、羊肉を除くお好みの肉―例えば、脂肪の少ない豚肉、余分な膜や筋を取り除いた牛肉、または鶏肉―が適しています。 ブイヨンを透明に仕上げるため、煮た後はしっかりとこし、沸騰直前の弱火で調理します。また、肉は大きな塊で煮込み、仕上げ時に取り出して一口大にカットすると、ブイヨンに緑の色がしっかり馴染むのがポイントです。 ※ 煮込み中は必ず表面に出るアク(泡)をこまめに取り除いてください。

② 野菜と緑の選び方

  • 必須の緑: グリーンボルシチに絶対に必要な緑は、スイバ、ほうれん草、ディル、そしてグリーンオニオンです。 さらに、香り高いパセリ、若いセロリといったハーブも使われることがあります。
    ウクライナでスイバは市場やスーパーに売っていますが、日本では簡単に手に入らないので、スイバの代わりにほうれん草をメインの緑にしても問題ありません。

  • 調理のタイミング: 緑は最後の仕上げで加えます。野菜類は、具材となるじゃがいもが完全に火を通した後、沸騰直後すぐに投入し、3分ほど煮たら火から下ろします。これにより、緑のフレッシュな風味と鮮やかな色がそのまま活かされます。

  • 酸味の調整: グリーンボルシチは、スイバ自体の酸味が魅力ですが、ここへレモン汁を少量加えることで、色の鮮やかさを保ちつつ、酸味が安定します。ただし、レモンはじゃがいもの食感を硬くするため、じゃがいもが完全に火を通した段階で加えるのがコツです。

③ スパイスは極力シンプルに

使うべきスパイスは、黒胡椒とローリエだけで十分です。その他のスパイスは、若い緑の自然な香りを壊さないためにも控えめにしましょう。

④ 卵の使い方

  • 方法1: ゆで卵を角切りにして、サワークリームとともに仕上げ時に加える。

  • 方法2: 昔から伝わる方法として、溶いた卵を調理の最後に細く注ぎ入れる方法もあり、どちらもグリーンボルシチの完成度を高めます。

⑤ 穀物の活用

グリーンボルシチには通常、栄養価を高めるために少量の穀物が加えられます。 一般的には米が使われますが、時にはキビ、小麦の粒子、または大麦が用いられることもあります。 ※ 穀物は入れすぎるとスープが濃くなりすぎるため、少量にとどめ、ボルシチの食感とバランスを損なわないよう注意してください。

⑥ 推奨調理時間

牛肉の場合は約2時間30分、豚肉や鶏肉の場合は約1時間30分で仕上がります。これにより、肉の旨味がしっかり抽出され、透明感のあるブイヨンが完成します。

⑦ おすすめの食べ方

  • 休ませる ボルシチは調理後、2~3時間ほど置くと味がより引き立ちます。

  • トッピング サワークリームとゆで卵を添えて提供します。ゆで卵はカットして加えるか、前述のように溶き卵をボルシチに注ぎ入れる方法もあります。

おすすめのグリーンボルシチのレシピ

ここでは、私が特におすすめするグリーンボルシチのレシピを詳しくご紹介します。シンプルながらも本場の風味がしっかり味わえるレシピです。

材料(4人分)

  • 肉(お好みで):600g

  • :3リットル

  • じゃがいも:400g

  • ニンジン:1本

  • スイバかほうれん草(新鮮な酸味のある葉):200g

  • ディル:1束

  • パセリ:1束

  • グリーンオニオン:適量

  • :4個

  • ローリエ:1枚

  • 胡椒の粒:5粒

  • 塩、胡椒:適量

手順

  1. ブイヨン作り まず肉をよく洗い、3リットルの水で1.5時間、弱火でじっくり煮込みます。煮ている間に浮いてくる泡は、スプーンで丁寧に取り除き、透明なブイヨンに仕上げます。煮込み終盤、ローリエ、胡椒の粒、塩、胡椒を加えて味を整えます。 ※ 肉は大きな塊で煮込み、火が通ったら一度取り出して骨を取り除き、適当な大きさにカットして再度ブイヨンに戻してください。

  2. 野菜の調理 じゃがいもとニンジンは皮をむいて、食べやすい大きさにカットします。これらの野菜をブイヨンに加え、約20〜30分煮て、ほぼ火を通します。

  3. 卵の準備 別途、4個の卵を茹でます。好みに合わせて、半分や輪切りにしておきます。(または、溶き卵を最終仕上げで投入する方法もおすすめです。)

  4. 緑の野菜の投入 スイバ(ほうれん草)、ディル、パセリ、グリーンオニオンを細いストロー状に切ります。野菜が煮えた後、ブイヨンに全て加え、さらに約3分間煮ます。その後、火を止め、蓋をして5分間余熱で味をなじませます。

  5. 仕上げ 最後にゆで卵を加え、サワークリームを添えて出来上がり。お好みでレモン汁を少量プラスすれば、色も味もさらに引き締まります。

まとめ

グリーンボルシチは、ウクライナの伝統を今に伝える魅力あふれる一品です。 家庭で作ることにより、各家庭ならではの工夫や思い出が込められているため、ただのスープ以上の暖かさと深みがあります。 今回ご紹介したレシピは、ウクライナ人としての私の経験と家族に受け継がれる伝統を元に作られたものです。 肉、豊富な緑、そして絶妙なバランスの味付けが、グリーンボルシチならではの爽やかで栄養価の高いお味を引き出します。 ぜひ、この記事を参考にして、あなたの家庭でも本場ウクライナのグリーンボルシチを作ってみてください。そして、家族や友人と共に温かいひとときを楽しんでいただければ幸いです。

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Posted by kristina