「我が国は格好の標的」ウクライナの戦地にいる日本人義勇兵に独占インタビュー
先日、ウクライナの戦地にいる日本人義勇兵に話を聞く機会があったので内容を公開します。いただいた情報を一切変更せずにそのままで載せています。本人のプライバシーを守るために、名前、また本人が誰か特定されるような情報の公開ができないので、ご了承のほどよろしくお願いいたします。
1。〇〇さんは未婚ですか?既婚ですか?
未婚です
2。〇〇さんの軍事経験は何年ですか?
4年です
3。いつウクライナに来ましたか?
2022年3月です
4。ロシアがウクライナに侵攻する前に〇〇さんはウクライナに行ったことがありますか?
行ったことがありません
5。どのタイミングに日本の兵士としてウクライナのために戦いたいと思いましたか?
ロシアがウクライナへ侵攻を開始した直後です。在日ウクライナ大使館に電話しましたが、つながらなかったので、ウクライナ大使館へ個人的に兵士としてウクライナを支援することができるかをメールで尋ねました。しかし、回答はありませんでした。
その後、ウクライナ大使館からの自衛隊経験者の募集があったので、ウクライナ大使館へ電話しました。すると、募集を担当する外部の連絡先を教えられました。電話をかけると「義勇兵の募集の件ですね」と言われました。名前、年齢、自衛隊経験等を聞かれた後に義勇兵をどうするか国と協議しているので、決まったら連絡しますと言われました。
その時、私は彼らが「義勇兵」という言葉を使っていたので、大使館募集からのウクライナ渡航は無理だと思いました。日本の自衛隊を海外の危険地域に派遣する事もできない日本政府が、元自衛官とはいえ民間人を義勇兵として戦地に送るわけがないからです。
そこで、私は最短でウクライナ渡航の準備を始めました。チケットの手配、現地の情報収集、戦闘装備品を揃え、空いている時間はウクライナ語の勉強しました。
渡航後から軍への入隊までの間に複数の日本人に会いました。元自衛官と自衛官を入隊しようとしている人です。自衛官ではなかった方々とは話が合わないので、すぐに違うとわかります。元自衛官の人達とは別行動だったので、その後どうしているのかはわかりません。民間人の方々には危険だし、そもそもウクライナから求められていないのだから、民間のボランティアをするか帰国を促しました。これはゲームではないので銃を撃ちたいとか、戦争に参加したいとか軽い気持ちで来ないでもらいたいです。
6。周りにいる人は〇〇さんが戦地に行く決断についてどのように反応しましたか?
誰にも何も言わずにウクライナに来ました。家族にはしばらく出かけてくるとしか言っていないので何も知りません。少し前に電話した際にウクライナにいる事を告げると「やっぱりそうか」「気をつけて」と言われました。薄々感づいていたようです。
7。現在(2022/10) 〇〇さんはウクライナのどこの地域にいますか?
作戦に支障があるので居場所は言えません。ロシア軍のすぐ近くとしか答えられません。
8。ウクライナ語かロシア語が分かりますか?
ウクライナ語を勉強したので少しはわかります。ロシア語はほぼわかりません。
9。どうやってウクライナ人とコミュニケーションが取れていますか?
英語、ドイツ語、フランス語でそれらの言語がわかる人とコミュニケーションをとります。それでも無理な場合は、携帯にダウンロードした翻訳機を使います。
10。健康状態はどうですか?
健康状態は異常なしです。一度入院しましたが、それは、同じ部屋の兵士が相次いで高熱を出し入院しました。私は熱は出ませんでしたが、喉が少しイガイガするので念の為病院に行き、仲間の高熱の事を話したところ、入院させられました。その日のうちに体調はよくなりましたが、翌日も念の為に経過観察を
したいと言われました。私は早く部隊に戻りたかったので、私をこのまま入院させるには、あなた方は医学的根拠を示さなければならないと言ったら、すぐに退院できました(笑)。
11。〇〇さんはロシア軍についてどう思いますか?
全てがそうではないと思いますが、統制がとれていないように感じます。訓練もあまりされていないように思えます。正直なところ何を狙って攻撃しているのかがわからないです。自衛隊は正確に敵を狙って射撃します。かつ、無駄な弾を撃ちません。ロシア軍は牽制して撃ってくるのかはわかりませんが、勝手に消耗してくれるので、あまり脅威を感じません。
ロシアはこの戦争で世界を敵に回しました。訓練だと騙されウクライナに侵攻したロシア軍兵士は、自国の指導者の異常性に気づきウクライナ全土から撤退すべきです。ロシアがこの戦争で得られるものは何もありません。
12。〇〇さんはウクライナに来てから一番慣れにくいことは何ですか?
1つ目はウクライナと日本での食事の時間帯が違う事。前線に来る前に初めて基地の食堂で食事をした時、12時過ぎに食事を済ませると、食堂で働く方から、14時にまた来てと言われました。何を言いたいのかよくわからなかったので、翻訳機を使ってコミュニケーションをとると、朝食は9時からで、昼食は14時から、夕食は19時からでした。日本では朝食は7時から、昼食は12時から、夕食は18時からだったので、朝6時には起床する私にとっては朝はながく感じます。前線に来ても食事の時間は遅めです。
2つ目は、夜中に砲弾やミサイルの着弾で目が覚める事です。戦争中だから仕方ないですが、轟音と振動で目覚めるのはあまり気分のいいものではありません。
13。〇〇さんの所属する部隊には他の外国人がいますか?
います。日本人は私だけです。日本人兵士のいる部隊には、まだ遭遇していません。国名を出して問題になると困るので、曖昧に答えます。私の所属する部隊には英語圏、フランス語圏、その他の言語を公用語とする国の兵士がいます。
14。〇〇さんはいつまで戦地に残る予定ですか?いつ帰国しますか?
終戦までウクライナに留まるつもりです。終戦後に帰国します。
15。ウクライナの勝利のために、何が必要だと思いますか?
1、最後まで諦めずに一致団結して戦うこと。(ウクライナ人が国を守る姿勢を貫けば、世界各国は支援を続けます。世界各国を巻き込んでロシアに侵略を諦めさせる)
2、強力な武器の確保とそれを操作する兵士の訓練及び育成。
3,安定した補給路の確保と、ロシア軍の補給路の遮断。
4、ロシアを裏で支援している国家をあぶりだして、ロシアと同様の制裁を課し、支援できない状況に追い込む。(北朝鮮がロシアに売却した砲弾をどの国が北朝鮮に流しているのか等)
16。〇〇さんは実際にウクライナで起きている戦争を経験し、戦地で戦っている日本の兵士として日本人に一番伝えたいことは何ですか?
この戦争は決して対岸の火事ではありません。我が国を侵略しようとする国があり、この戦争で世界各国がどう対応するかを注視している国があります。ロシアの侵略をここで阻止しないと、ロシアは次のターゲットを探します。ロシアがどこまでできるのかを見極めて、それを真似する国が必ず現れます。核兵器保有国が核兵器非保有国を侵略するという異常事態です。我が国は核兵器を保有していませんので格好の標的です。我が国は米国と同盟関係にありますが、その限界を試す動きもあります。同盟関係に亀裂を生じさせるような活動を米軍基地周辺で行う者も見受けられ、外国人もそれに加わっています。敵性国家はありとあらゆる手段を講じて侵略の機会をうかがっています。国土、領海、領空は断固として守り抜かなければなりません。少しでも譲れば、そこからさらなる侵略へと進みます。犠牲者を出さないために降伏しろとはいうコメンテイターがいましたが、そうすると敵は労せずに侵略を完了します。こんなに敵に都合のいい事はありません。抵抗をやめれば全てを奪われるという事を肝に銘じて、我々は国を守り抜かなければなりません。
以上です
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