在日ウクライナ人がウクライナ料理10選を紹介します。UNESCOに注目!
みなさん、こんにちは。
福岡在住のクリスティーナです。今回はウクライナの伝統料理10選をご紹介します。
その中で日本食に似ているものもあれば、全く味の想像がつかないものもあります。
ウクライナ料理の特徴
ウクライナ料理は、その素朴ながらも奥深い味わいが魅力です。以下のポイントがウクライナ料理の特徴として挙げられます。
- ウクライナ料理はダイエット食ではない ウクライナ料理はダイエット向きと呼ぶことはできません。ウクライナ人は重労働に従事していたため、多くのカロリーを摂取できる料理が求められていたのです。
- 粉物製品の使用が非常に多い 発酵させたライ麦粉および小麦粉を用いた製品、すなわちパイ、コロヴァイ、カラチに加え、ヴァレーニキ、ガルーシュキ、ミルニッツ、さらにはケシの実と蜂蜜を使ったパンやクーティアなどが含まれます。
- 多くの食材が複雑な熱処理を受ける 最初にこれらの食材は炒めるか茹でるかされ、その後、煮込んだり焼いたりして仕上げられます。これが、ウクライナ料理の調理技術の中で最も顕著な特徴です。
- 保存食や発酵食品の多用 厳しい気候の中で発展してきた保存技術や発酵食品は、栄養価を保ちながら季節の変化に対応する知恵の結晶です。
- サワークリームやハーブの風味 ほとんどの料理に欠かせないのが、サワークリームやディル、パセリといったアクセントとなるハーブで、料理に深みと爽やかさを与えています。
次は最も人気のTOP10のウクライナ料理をご紹介します。
1. ボルシチ (Borscht)
ウクライナ料理の象徴ともいえる「ボルシチ」は、赤いビーツを主役に、玉ねぎ、キャベツ、ニンジン、ジャガイモ、トマトなどの豊富な野菜を使い、自然な甘みとほのかな酸味が好調に調和するスープです。 特筆すべきは、この料理が国際連合教育科学文化機関(UNESCO)に登録されるほど、ウクライナ文化の象徴となっている点です。 また、ボルシチはしばしばロシア料理と誤解されることがありますが、その歴史的ルーツや調理法はウクライナ固有のものであり、ウクライナの伝統料理として確固たる地位を築いています。温かい状態でも、また冷やしても美味しく、季節を問わず親しまれる逸品です。
2. ヴァレーニキ (Varenyky)
次にご紹介するのは、具材次第で無限のアレンジが可能な「ヴァレーニキ」。簡単に言えば餃子みたいですが中身は色々あります。薄い皮に包まれた中身は、マッシュポテト、カッテージチーズ、キノコ、さらにはデザートタイプとして甘いチェリーやブルーベリーを用いたものなど、バリエーション豊かです。一口頬張れば、ほっとする家庭のぬくもりと伝統の奥深さを感じることができます。各家庭ごとに受け継がれるレシピが、その土地の味を彩ります。
3. ホルブツィ (Holubtsi)
「ホルブツィ」は、キャベツの葉で挽肉、米、ハーブを包み込んだ後、じっくりと煮込む料理です。煮込み過程で素材の旨味が溶け合い、豊かな肉汁と野菜のエッセンスが深みを与え、寒い季節には家族団欒の象徴として親しまれています。日本のロールキャベツに少し似てますね。
4. サロ (Salo)
サロは、ウクライナならではの伝統的な食材で、豚の脂身を塩漬けまたは燻製にして作られます。黒パンに薄くスライスして、ニンニクやピクルスとともにいただくこの料理は、かつて重労働者のための貴重なカロリー源として重宝され、現在もウクライナ料理の象徴として愛されています。
5. デリーニ (Deruny)
ジャガイモをすりおろして作るパンケーキ「デリーニ」は、外はサクサク、中はホクホク。サワークリームやクリームを添えることで、シンプルながらも奥深い味わいが楽しめます。寒い日には格別の温かみを提供する、家庭的な定番料理です。レシピを別の記事に載せています。
6. パンプシュキ (Pampushky)
ふっくらと発酵させた小さなパン「パンプシュキ」は、ボルシチなどのスープと共にガーリックバターをたっぷり塗っていただくスタイルが人気です。その柔らかい食感と香ばしい風味は、家庭やレストランで広く親しまれ、食卓に華やかさを添えます。
7. ナリシュニキ (Nalysnyky)
ウクライナ版クレープ「ナリシュニキ」は、薄く焼いた生地で甘いチーズやキノコ、ほうれん草などの具材を巻き上げる料理です。朝食、軽食、デザートと多様なシーンで楽しめるこの一品は、各家庭で伝統として受け継がれています。包み方が違いますが日本のクレープに似ていると言えますね。
8. コヴバーサ (Kovbasa)
コヴバーサは、スパイスとハーブを豊富に使用して作られるウクライナ風ソーセージです。新鮮な豚肉の旨味が凝縮され、焼いたり煮込んだりすることで、様々な食シーンに合わせた楽しみ方が可能な定番の一品です。
9. クーティア (Kutia)
クリスマスシーズンに欠かせない「クーティア」は、小麦または米、はちみつ、くるみ、レーズンなどがミックスされた甘いお粥のような料理です。豊穣と幸福の象徴として、家族で分かち合うことで、ウクライナの伝統行事に深い意味を与えます。
10. ウズヴァル (Uzvar)
ウズヴァルは、乾燥果実やベリー、ナッツをつかってじっくり煮出す、自然な甘みとほのかな酸味が引き立つ飲み物です。特別な集いやクリスマスパーティーでのデザート感覚としても楽しむことができ、健康志向の方にもおすすめの一杯です。
まとめ
ウクライナの伝統料理は、歴史ある農耕文化と厳しい気候の中で培われた知恵が結実したものです。今回ご紹介した10選は、どれも家族や地域の絆を象徴する温かな味わいが満載です。特に、文化的・歴史的な価値が評価されたボルシチは、ロシア料理と誤解されることもありますが、実際にはウクライナの伝統と誇りが詰まった料理であり、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)に登録されるなど、その価値は世界的に認められています。
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